2017年1月28日土曜日

若者のための政治マニュアル 山口二郎 その4

前回
その3

【ルール7】
◆あまりにも純粋に理想を追求しようとすると、自分と同じ理想を共有しない人々が堕落した存在のように思えてくる理想を求めれば求めるほど、理想を邪魔する物を厳しく攻撃しようとする心理が働く
◆若者が保守化してから久しいが、文科省の役人や自民党の文教族の政治家は、若者が政治に関心を持ったらまた反体制運動を行うのではないかと恐れている

◆アメリカのテレビ番組
⇒この話はとても素晴らしいです。是非読んでみて下さい。
◆時効制度には、「権利の上に長く眠っているものは民法の保護に値しない」という趣旨が含まれている

◆棄権は、総体的な多数派(絶対数では少数派かもしれない)に、政治的な決定について白紙委任をしたことになる
◆創価学会の会員は、どんなことがあっても必ず選挙に行くことによって影響力を持つ、小選挙区では、当選者と次点者の票差が1、2万票というケースが多い。そうした時、創価学会会員の票が自分に来るか、相手方に行くかは、当落を左右する
◆若者は半分も投票に行かない。若者向けの政策を一生懸命打ち出しても、当の若者がちゃんと投票に行って、自分に入れてくれるかどうか分からない。自分の当選を再優先にする政治家は、当てにならない若者よりも、必ず投票に行く創価学会会員に向けた政策を訴えることになる


【ルール8】
◆労働者の運動が協力であればあるほど、資本主義時代が持続するために、市場経済がもたらす資源配分の格差を、縮小するメカニズムを埋め込むことが必要不可欠となった
◆左派といえば、日本では共産主義や社会主義などのイデオロギーを連想するが、それらは国家権力によって平等を追求する極端な左派である。アメリカにもヨーロッパにも、格差を全部否定することはできないという前提で、ある程度の平等化を志向する穏健な左派が存在する

◆コリン・クラウチ:デモクラシーの放物線
◆戦後資本主義がケインズ主義や完全雇用と結びついた時代においては、経済的ヒエラルヒーによる差異が縮小され、不可視化されたということができる。日本においては、1980年代に出現した「総中流社会」において、差異の曖昧化は完成した。
◆政治における差異が曖昧になるということは、それだけ対立や闘争のエネルギーが低下するということでもある。社会民主主義勢力が強かった西欧においては、労働者への配分に関する合意の政治が成立した
◆富のヒエラルヒーが復活するという新たな環境において、ヒエラルヒーを正当化する政治的圧力と、平等を回復させようとする政治的圧力が対峙し、政治的対立軸が復活するという展開が見えられるようになる

◆クラウチは、最近の先進国の民主政治に共通する「ポスト・デモクラシー」という傾向として次のような指摘を行った
 ・新たな中・下層階級の人々が、自らの利害や要求を政治的に主張する能力を失う
 ・ビジネス、特にグローバルな市場で活動するビジネスの政治的な力が大幅に増加するという変化である
 ・バランスを欠いた政治の出現
◆ヒエラルヒーの縦の差異を政治的な差異として認識することが非エリートの市民にできていない。
 ・諦め
 ・「分割して統治せよ」という鉄則を政治階級が守っている

◆トニー・ブレアといえば、イラク戦争を引き起こした点でその罪は万死に値するが、雇用政策についての功績は大きい
◆小泉は、郵政や建設などをはじめとする官僚機構と、その親衛隊としての自民党族議員を敵と設定して、自らの改革を正当化した。
◆飯尾潤:「行政依存人」と「経済自立人」。この種の議論は、政策とは無縁の経済活動が広汎に存在するという空虚な前提に依存していている点で、大きな誤りをはらんでいる
◆政策を自ら有利な方向に向けるために、ビジネスエリートは政治に参加している。もちろん、その際の参加とは一市民としての政治参加からはかけ離れたものである。豊富な資金力により政治家や政党にロビーイングを行い、金の力で政策決定に影響を及ぼす

◆およそ政策とは、既存の利害関係を変更する者である。
◆重要なことは、すべての当事者が等しく利己的動機を追及する相対主義的な視点に立つことである。そして、各当事者に政治的発言の機会を平等に保障することが、現代の多元的民主主義にとっては必要
◆弱い立場の者に対する配分を減らし、経営者など弱い立場の者の収益を拡大する効果を持っている政策転換を、今日者の利己的政策形成と呼べば、議論としては公平である。しかし、実際にはこれらの政策転換は「改革」と賞賛された。

◆労働組合が頑張ることで労働条件に関する一般的な法律が守られる、商工会が頑張ることで中小企業を保護する税制ができるなど、組織が政治的に活動することで弱者を保護するという機能も発揮された。
◆だからこそ、小さな政府を目指す政策転換の中で、これらの団体は切り捨てられ、今や衰弱の一途をたどっている。
◆新しい連帯を作るためには、衰弱している団体が、生き残りをかけてつながりの輪を広げることが必要である。その際、メンバーの利益だけを保護するという内向きの姿勢ではなく、同じような境遇にある人間に自分たちの勝ち取った利益を共有させるという開かれた姿勢が必要

つづき
その5 ラスト





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