2016年10月2日日曜日

方法序説 デカルト 第3部

前回
第2部

デカルトの準則、4つの格率。
格率とは自分の行為規則のことです。


第3部
◆3、4の格率から成るに過ぎないが、私は自分のために当座の準則を作った

○第1の格率
◆神の恵をもって私を幼児から育ててきた宗教をつねに守りながら、またその他のすべての事においては、私がともどもに生きてゆかねばならぬ人々のうちの、最も聡明な人たちが実践上では一般に承認する最も穏健な、極端からは最も遠い意見に従って自分の舵をとりながら、国の法律および慣習に服従していこうということであった。
◆私どもの低俗な世間では自分の考えることを何もかも言おうとするような人はほとんどないのみならず、多くの人が自分の考えていることを彼ら自ら知らない。
◆私は、無差別に受け入れられている多くの意見のうちから、最も穏健なものだけしか選ばなかった。
◆特に、私どもの自由を多少でも削り取るような約束などは、これをことごとく極端な意見のうちに数え入れた。それは法律の類を否認しようという意味ではない。いつも同じ状態のままでいるようなものは、この世の中に何ひとつも見られぬからといいたいのである。
◆何かの場合に何事かを是認したからとて、その後それが善い事ではなくなり、あるいはそれを善い事だと評価するのやめるようになっても、なおどうあってもそれを善い事だとせざるを得ないものなら、良識に対して私は大罪を犯すことになると考えた。

○第2の格率
◆いかに疑わしい意見であるにせよ一たびそれをそれとみずから決定した以上は、それが極めて確実なものであったかのように、どこまでも忠実にそれに従うということ
◆日常の生活行動というものは多くの場合少しの猶予も許さぬから、どれが最も真実の意見であるかを識別する力が私どもにないときは、蓋然性の最も多い意見に従わねばならんということが極めて確かな道筋である
◆すぐあとで悪いと思うものを、善いものと判断したり、実行には無定見で、意志薄弱で気の変わり易い人人を悩ましがちな、あらゆる悔恨や苛責から私が救われることのできたのは、この格率の力に帰せられるべきである。

○第3の格率
◆運命に、よりはむしろ自分に打ち勝とう、世界の秩序を、よりはむしろ自分の欲望変えよう、と努める
◆一般的には、私どもの権力の埒内にそっくり入るものは私どもの思想だけ
◆私どもの外なるものについて最善を尽くした後、なお私のもの成功妨げるものがあれば、私どもとの関係上、そのものは全て絶対的に私どもの手の及ばないものであると信ずるように自分をしつける
◆自然が昔の哲学者に厳命した行動の限界を見まもることにかれらは絶えず専念していたので、かれらの思想のほかは何ものも彼らの権内に無いことを、他の物に何らの愛着をも抱かぬようにするためにはこの用意のみで十分であることを、かれらは実に完全に知り抜いていた

○第4の格率(文中では「最後に」という表現)
◆私はこのような行動原理の結論として、この世の人々の営みだったの仕事に目を通し、そのうちから最善のものを選ぼうとした。
◆私の理性を開発するために、私が私に命じた方法に従って力の限り真理の認識へと前進するために、全生涯を使い尽くすことにより以上に善いことを為しえないと私は考えた
◆いつの日かは知らず同じ仕方で、あらゆる真の財宝の獲得も保証されている、そう考えてひたすら一本の道のみを追うて来なかったとしたならば、私は自分の欲望を制御することも満足して待つこともできなかったであろう
◆善く行為するためには善く判断することで十分であり、出来る限り善く行為するためには、すなわち得らるべき限りのすべての徳を、同時に他のあらゆる善なるものを獲るためには、できるかぎり善く判断すれば十分である。そうしてこのことが保証されているとき、人は満足せずにはいられないであろう。

◆私が自分に命じた例の方法によって私は自分の訓練をしつづけていき、その規則に従ってあらゆることを一般的に考えるようにしていたが、おりおりは多少の時間をさいて、それの実習として特に数学上の難問に向かってみたりした
◆外見上でも私も別に変わった暮らし方をしたわけではないが、私は絶えず自分の計画を追求してやまなかった。かくて書物を読むだけの、学者と交るだけのことにすぎなかったであろうよりは、私としてはおそらくそれ以上に真理の認識において前進してやまなかったつもりだ

◆疑うべき理由を示したからであるかもしれない。しかし私は実際の自分とちがって評価されるのを好まぬだけの潔白な心を持っていたから、人が自分に与えた評判にふさわしいものになろう、そのためにあらゆる手段を尽くして努力しなければならぬと思った。
◆この念願が私の知人のできそうなあらゆる場処から遠ざからせ、この土地に身を隠すように決心させたのであって、それは今からちょうど八年前のことになる
◆この国では戦争の長続きが秩序を立てたのである。ここ養われている軍隊といえば、人がいよいよ安心して平和のもたらすものを楽しめる、そのためのみに仕えるもののごとく見える。



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