2016年4月7日木曜日

財務省支配の裏側 中野雅至 3

ラストです!

その2 ←個人的には2章がためになりました。


第5章
◆財務官僚だけでなく、日本の官僚全体、特に幹部クラス見えることだが、どうも都合の良いノブレス・オブリージュと単なる公務員の使い分けを感じる。政策の失敗があっても責任を取らず、「私は公務員ですから」という言い訳が多い。
◆議員内閣制の下では役所や官僚の力は非常に限定されている。おそらく財務省含めて大半の官僚はそれを実感させられることが多い。
◆財務省は公共事業などの箱物バッサリと切り捨てるのではなく、ごり押しする相手側の族議員や官庁の顔を立てながら仕事を処理することで貸しを作る。

◆予算編成権と査定とは何が違うのか。各省から予算要求を聞き、その必要性や無駄を発見しながら予算案を取りまとめていくのが予算の査定。予算を作る時の基本方針が予算編成権。
◆国家戦略局が予算編成を含めて国家戦略全体を作ってしまうと、財務省は単なる予算屋に成り下がる。そのため予算編成権を頑なに自分たちのものにしようと行動する。

第6章
◆激しく揺れる民意とマーケットのうねりの前では、既存の政官など取るに足らないものなのかもしれない。
◆実際、非正規雇用が多いと叫ぶ割には、日本人は格差是正にはっきりしたスタンスを示さない。民主党政権の誕生にしても何を期待したのか分からないところがある。
◆政治家がすべてひっくり返す腹がないだけだ。あるいは、ひっくり返そうとする政治家の足を引っ張る政治家やマスコミが存在するからだ。
◆ポピュリズムの伸張から独裁を憂う意見が多いが、敵を攻撃して変幻自在に成長進めようとするポピュリズムも4年に1度の選挙は否定できない。それは民意を重視するポピュリズムの自己否定につながる。
◆現在、公務員の多くは身分保障と高い給与で批判されているが、自衛隊や、消防、警察など住民にわかりやすいサービスを提供する公務員は褒められる方向にある。3·11の震災は特にそうだ。彼らが自らの肉体で示す公は実に分かりやすい。


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